
はじめに|「体の冷え」、実は食事が原因かも?
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手足が冷たくて眠れない
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夏でもお腹が冷えて下痢になりやすい
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冬だけでなく年中冷えを感じる
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生理不順・肌荒れ・疲労感がとれにくい
これらの症状、実は「体を冷やす食事」が習慣になっていることが原因かもしれません。
私たちの食生活は、無意識のうちに「冷え」を引き起こす食材や食べ方に偏りがちです。
今回は、体を温める食事への切り替え方・おすすめの食材・避けたい食習慣について、科学的な視点も交えながら解説します。
冷えのメカニズム|なぜ体が冷えるのか?
人の体温は、主に「筋肉の熱産生」と「血流」によって保たれています。
しかし、以下のような要因で体温が下がると、冷えが慢性化します。
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筋力低下(加齢・運動不足)
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自律神経の乱れ(ストレス・睡眠不足)
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血行不良(低血圧・低たんぱく)
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体を冷やす食品の摂りすぎ
特に現代の食生活は、冷たい飲み物・生野菜・砂糖の多いスイーツなど、冷やす要素が多い傾向にあります。
【基本原則】身体を冷やさない食生活3つのルール
① 「温め食材」と「冷やし食材」を見分けよう
体を温める食材 | 体を冷やす食材 |
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根菜類(人参、ごぼう、大根) | 南国果物(バナナ、パイナップル、マンゴー) |
生姜、ねぎ、にんにく | 生野菜(レタス、トマト、きゅうり) |
発酵食品(味噌、納豆、ぬか漬け) | 乳製品(ヨーグルト、牛乳) |
赤身肉、魚、卵 | 白砂糖、小麦製品(パン、ケーキ) |
👉 ポイントは、地中で育つ・寒い地域で採れる・発酵している食品は“温め系”
逆に、**水分が多く暑い地域の果物や食材は“冷やし系”**と覚えておくと便利です。
② 「冷たいもの」を常温 or 温かくする習慣を
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冷蔵庫から出した飲み物を常温に戻してから飲む
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サラダは温野菜やスープに切り替える
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夏でも冷たいビールやアイスは控えめに
👉 特に胃腸が弱い人は、冷たいものを摂ることで消化機能が低下し、全身の冷えにつながる可能性があります(小野ら, 2019)。
③ 食べる順番とタイミングも重要
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朝は白湯や味噌汁など温かいものからスタート
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食事の最初にスープ→たんぱく質→炭水化物の順に
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空腹時間が長くならないよう3食規則正しく
👉 朝食を抜く・夕食を深夜に摂るなどの習慣は、基礎体温の低下を招く原因になります。
体を温めるおすすめのレシピ例
● 朝のおすすめ:生姜入り味噌汁+卵かけご飯
→ 体温をゆっくり上げて、代謝を促進。
● 昼のおすすめ:根菜の豚汁+発芽玄米おにぎり
→ 良質なたんぱく質と食物繊維で血流も腸内環境も改善。
● 夜のおすすめ:鮭と白菜の味噌煮+かぼちゃの煮物
→ 発酵食品×オメガ3脂肪酸×ビタミンEで体の芯から温める。
関連する栄養素も意識しよう
栄養素 | 温め効果 | 食材例 |
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ビタミンE | 血行促進 | かぼちゃ、アーモンド、うなぎ |
鉄分 | 貧血予防 | レバー、小松菜、あさり |
タンパク質 | 筋肉をつくる | 肉、魚、卵、大豆 |
カプサイシン | 熱産生UP | 唐辛子、キムチ |
👉 サプリメントではなく、できるだけ食材から摂取することが理想的です。
まとめ|“食べる温活”で、体を芯からポカポカに
冷えを防ぐには、「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」も大切です。
毎日の積み重ねが、内臓や筋肉の温度を安定させ、自律神経を整えるカギとなります。
今日からできるポイント:
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冷たいものを控える
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温め食材を意識する
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発酵食品と根菜を取り入れる
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食べる順番・タイミングを整える
「食べる温活」で、冷え知らずの健やかな毎日を手に入れましょう!
🔍参考文献・データ:
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厚生労働省「健康づくりのための食生活指針」(2021)
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日本冷え性学会『冷え性と食生活の関連』2020
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小野雅裕ら「体温調節と栄養素摂取との関連」『日本臨床栄養学会雑誌』2019
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武田邦彦『食品の陰陽と体のバランス』PHP新書(2015)